外国人社員と海外駐在員の話、どちらが受けた?

先週、毎年この時期に講師を務めている、ある商社の管理職前研修がありました。
私の担当は初日で、今年は海外勤務の人たちも帰国して、4年ぶりに全員対面で実施しました。

研修は演習を中心に行っていて、スキル診断等いくつかのプログラム要素から
なっているのですが、その中の一つに、「自社経営資源分析」という名の
内部分析があります。

事前に各人でたたき台を作ってきて、
当日グループになってメンバーに紹介し合って、その中から
一番いいのを選んで全体発表をしてもらいます。
そして最後に、どこのグループの発表が一番良かったか、
相互投票を行ってもらっています。

4つのグループがあったのですが、
その中で、管理部門勤務で日本語が流暢なアジア系の女性の発表と
海外現法勤務で、才気煥発な男性社員の発表が投票を2分しました。

女性の発表は、本社の人たちのいわゆる日本的経営批判でした。
皆、役員の顔色をうかがって仕事をしている等、なかなか日本人では言えないような、
痛烈な批判を飛ばしていました。
もちろん、人事担当者がオブザーブしていたのですが、怖いもの無しなのでしょう、
お構いなしにまくしたてました。

一方、男性の発表は、現地法人の社員のやる気のなさと、日本人駐在員の顔色伺いを
嘆いている内容で、お国柄が出ているようで、
聞いていた皆さんは、同情しきりでした。

さて、それで投票タイムとなったのですが、
投票結果は、なんと圧倒的に女性の発表に票が集まりました。
「よくぞ言ってくれた!」という感じでした。

皆さん、普段は不満に思っていても、表立っては言えないことを、
しがらみのない外国人社員が「本音」として言ってくれて、
痛快感があったのでしょう。

たぶん、その夜の懇親会は、盛り上がったと思います。

やはりたまには、本音をぶつけ合って、議論する必要がありますね。

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